★曹操&次元4★
完全退路封鎖 (※要注意な曹次)
――抵抗せぬのか
呼吸を奪うように次元の口を覆い舌を吸いながら、
合間に漏れる苦しげな息遣いを、ひどく冷めた心で聞いていた
堪えるように固く目を閉じている次元を、曹操は好ましく思っていた
少なくとも相棒よりは従順な態度だ
ならばそれなりに可愛がってやろう
曹操は腹の底で笑う
やがて堪え切れずに、次元がむせるように荒い息を吐いた
「辛そうだな」
それでも唇を触れ合わせたまま、言葉を繋ぐ
「楽にしてやろう」
白く細い手が次元の腰に巻かれた帯留めに伸びる
かちゃり、という金属音が響き、次元の身体を強張らせた
「逃げたければ、逃げても良いのだぞ」
そう言われる前から心はすでに逃げ出している
だが身体はそれに逆らい、その場に留まっている
次にどんな言葉を与えられるか知っているからだ
「だが――」
予想通り、あの言葉を繰り返す
「おぬしも、おぬしの相棒も、我が手の内にある。その意味が分かるか?」
絶対の忠誠を誓わせるかのように、次元を見下ろす
射るような視線をかわすように次元の視線が揺らぐ
さらにとどめとなる一言を投げ付ける
「最愛の者を失いたくはあるまい」
形の良い唇から吐かれる脅迫の言葉
曹操の視線が次元を捕らえて離さない
漆黒の瞳の中に、炎が激しく燃え上がる
その炎を拒絶するかように次元が再び目を閉じた
曹操は妖しく笑うと、手慣れた様子で帯をしゅるりと引き抜いた
逃げ道を塞がれ
狩りの獲物のように
じりじりと追い詰められてゆく