★三国志妄想伝★
★曹丕&ルパン1(1本)★
  北方三国志の曹丕について


正室の甄氏との関係を、改善しようとも思わなかった。曹丕が帝になった段階で、皇后となるのが自然だったが、曹丕はそれを許さなかった。
そのくせ、甄氏の寝室は頻繁に訪った。
まだ容色は衰えていない。それどころか、鳥肌が立つような妖艶さを漂わせてさえいた。寝室を訪うと、執拗な愛撫だけ加える。交合の欲求に耐え難くなると、別の側室の寝室に飛びこみ、抱いた。
ある時から、甄氏は愛撫を拒むようになったが、それも曹丕は許さなかった。三人の宦官に裸の躰を押さえさせ、執拗な愛撫を加え続けた。全身を痙攣させながら耐え、それでも最後には甄氏はとめどなく涙を流した。
それが曹丕の暗い喜びになった。
曹丕にとってはただの女体でも、甄氏は躰と同時に心も開くべきなのだ。心を開かない女に対しては、残酷な扱い方しか残っていなかった。


すべてを支配できても、心だけが支配できない。その苛立ちが、増々曹丕を残酷にした。凌辱以外の何ものでもない愛撫を、毎夜加える。
息子の曹叡は、幼いころから引き離し、老臣の守役に任せている。いまでも、決して奥へは近づけないのだ。
殺すこともできる。顔も躰も眼をそむけるほどに醜く傷つけて、生かし続けておくこともできる。そう思っても、夜になると甄氏の寝室に行ってしまうのだ。
支配したいのではない。愛されたいのではないのか。たかがひとりの女に愛されたくて、自分は苦しんでいるのではないのか。
苦しんでいるという自覚が、また曹丕を耐え難い気分にさせた。あの女を愛したのだ。そう思うことも、また耐えられなかった。
夜が更けていく。甄氏の寝室では、三人の宦官が待っている。躰を押さえつけさせて愛撫を加え、決して交合はしない。
なぜ、そんなことをくり返すのだ。呟いてみる。
聞く者は、誰もいない。

(北方三国志10巻「去り行けど君は」参照)





だから勝てる気がしねぇっての…!!!!!!
なんで魏軍はこんな人ばっかりなんだろうな…