★夏侯惇&ルパン2★
愚考 (※要注意な惇ル)
太腿に手を乗せると、汗でしっとりと濡れているのが分かる
細い脚を覆うように筋肉が張っている
そのまま緩やかに腰骨まで手を滑らせていく
武骨な指が、探るように薄い皮膚の上を這っていく感覚を堪えるように、ルパンがわずかに身をよじった
――細いな
ルパンの腰を捕えた夏侯惇は、常に自分の周りにいる武人と、今目の前にいる男の体つきをまじまじと見比べた
筋肉の付き方は無駄がなく、しなやかで細い身体だ
成る程、盗人ならば身のこなしは身軽なほうが良い
屈強な武人とは程遠い、白い肌や細い体つき
確かに、孟徳に似ているかもしれない
そんな雑念が浮かぶと同時に、ルパンが堪え切れずに短く息を吐いた
赤く上気した頬がわずかに動く
「将軍…誰を、想ってるんだ?」
ほの暗い闇の中で視線が絡み合う
曹操とは違う、童子のような丸い瞳が濡れている
あぁ、そうだ
お前が孟徳なら抱ける訳がない
夏侯惇は強引で無遠慮な口付けを交わしながら、
己の愚考を恥じて、それを闇に捨てた